独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

*  *  *

 ブライダル業界に来る前にやっていた会社の重役と今後の展開について話し込んでしまい、予想していた時間より少し過ぎてしまった。しかし次の予定までまだ余裕のある時間なので問題ない。

 あとはここ最近で一番大事な取引先との会食で今日の業務は終了だ。

 いつも仕事に集中して溜めないように段取りよく進めていくのに、最近の俺はふと手を止めた瞬間に詩織のことを考えている。
 早く仕事を終わらせて詩織に会いに行きたい。

「社長、お疲れさまです」
「ああ、お疲れ。アンヴィの社長との食事は八時からだったか?」
「いいえ、六時からの予定です」
「何だって? とっくに過ぎているじゃないか。今朝は八時だと言っていたはずだろう」
「はい。先方から連絡があり、時間が早まりました。ですがそちらに関して社長は行かれなくても大丈夫とのことです」
「どういうことだ?」

 今日会う予定をしていたのはアンヴィ・インターナショナルホテルの社長だ。


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