独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
素直にそう言うと、智也は私のことをお姫様抱っこして廊下を進み寝室へと向かった。
「どっ、どうしたの……!?」
「詩織に好きって言われたら、我慢できなくなった」
「ええ……っ」
いつも一緒に眠っていたベッド。私たち夫婦は一線を越えないルールを持った二人だ。
だから夫婦になったあともプラトニックな関係を築いていたはずなのに――
「あのルール破ってもいい?」
「え、っと……」
「まだだめ?」
優しく口づけされて、何度も重なる。だんだん触れる時間が長くなっていって、溶けてしまうんじゃないかって思った。
「だめ……じゃない」
「いいの?」
「私……ね、苗字だけじゃなくて全部智也さんのものになりたいって思っているの」
心も体も全部あなたに捧げたい。
言葉だけじゃ足りなくて、この好きな気持ちはきっとこうしないとどうにもできない。