独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「男慣れしてないんだから、仕方ねぇな」
「詩織ってば本当に初心なんだからー。今までどうして彼氏ができなかったんだろうね?」
「直樹のせいだろ?」
「あら? アタシだけじゃないわ。晴樹にも責任があるわ」
私は小さいころから十才離れている直樹と晴樹に可愛がられて育ってきた。
母親がいないぶん、二人は私が寂しがらないように一生懸命可愛がってくれていたんだと思う。
年が離れているにもかかわらず、いつも一緒に遊んでくれたし、服飾の学校に行ってからは私の服を二人で作ってくれて、ファッションショーをして遊んだっけ。
私を着せ替え人形みたいに、ああでもないこうでもないと、似合う服を作ってくれて、プレゼントしてくれた。
二人がパリに留学するまでずっと一緒に過ごしていたせいで、彼氏を作る以前にマトモな恋愛を一つもせずにきてしまった。