独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

 いずれにせよ、原因を追究する権利もないし、望まれていることに対して忠実に従うだけ。

 話がずれてしまったけれど、とにかく智也さんの外見はとても素晴らしい。まだ出会って間もないけれど、じっと見ていると胸がドキドキしてきて、全身が熱くなってくる。

 テレビで見る俳優さんを近くで見たときのような緊張や興奮に似ていると思う。
 好きとか嫌いを超越して、条件反射的にトキめいてしまう。

 とにかくそんな高嶺の花のような男性のこんなプライベートな姿を見られるなんて貴重だろうし、すごく得しているのかもしれない。

 智也さんはリラックスしているようで、流れるような動作でベッドの上に座り、布団を足元にかけた。

「そんなところに突っ立ってないで、入れば?」
「えっ……あー、はい。では、お邪魔します……」

 おずおずと布団を捲って、私もベッドの上にあがる。そして彼と少しだけ距離をあけて隣に座った。


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