独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「んん!」
おかえりなさいのキスに、おやすみなさいのキス。それだけでなく、おはようのキスにいってらっしゃいのキス。
何かにつけて、ちゅっちゅ、ちゅっちゅとキス三昧。
こんなキスづくしなんて聞いてない!
「じゃあ、またあとで」
なんでこんなことするんですか! と怒る隙もないまま、彼は爽やかな笑顔を向けて家を出ていってしまった。
「……もう、何なの……」
触れ合った唇に手をあてて、誰もいない玄関で嘆く。
ファーストキスをしてまだ間もないはずなのに、何度もされているうちに少しずつ慣れてきた。
最初ほど驚かなくはなったけれど、それでもキスしたあとは胸が騒いでしばらく落ち着かない。