朱莉さんの不可解な一週間
夢見心地って言葉が合ってるのかは分からないけど、ずっとそんな感じのあたしは、その状態にプラスして飲み慣れないワインを飲んだから、余計に頭の中がフワフワフワフワしてた。


だから自分で話してる言葉が他の誰かの言葉みたいな、何とも表現し辛い状態に陥《おちい》ってた。


口を動かして声を出してるって分かってるけど、自分じゃないみたいな感じ。


冷静に考えれば、それはただ酔っぱらってるだけなんだろうけど、その事を理解出来ないくらいにフワフワしてた。


「大変ですけど、楽しいですよ」

「楽しいの?」

「はい。吉岡さんがご自分の仕事を楽しいと思うくらい楽しいと思います」
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