朱莉さんの不可解な一週間
会計を済ませる為にレジの前に立った先生は、それまで繋いでた手をスッと離して、出口の方を指差すと、あたしを先に外に出させる。
そういう大人の態度に、先生に比べたら子供なあたしは「半分払う」って言いたいけど、言えるほどのお金を持ってなくて先生の言葉に従って店を出てすぐの所で足を止めた。
お店を出てすぐに広がるロビーには、週末なのにも拘《かかわ》らず誰もいない。
エレベーターがお客を乗せて上がってくる気配もない。
イタリアンレストラン以外にもこの階にあるお店はどこも値段が高そうで、こんな不景気にこんな高級志向な店がやっていけるのかなんて、自分には関係ない事を心配してしまった。
「お待たせしました」
背後の自動ドアが開いた気配と共に聞こえてきた先生の声は穏やかで。
そういう大人の態度に、先生に比べたら子供なあたしは「半分払う」って言いたいけど、言えるほどのお金を持ってなくて先生の言葉に従って店を出てすぐの所で足を止めた。
お店を出てすぐに広がるロビーには、週末なのにも拘《かかわ》らず誰もいない。
エレベーターがお客を乗せて上がってくる気配もない。
イタリアンレストラン以外にもこの階にあるお店はどこも値段が高そうで、こんな不景気にこんな高級志向な店がやっていけるのかなんて、自分には関係ない事を心配してしまった。
「お待たせしました」
背後の自動ドアが開いた気配と共に聞こえてきた先生の声は穏やかで。