朱莉さんの不可解な一週間
何をそんなにモタモタしてんだって自分で自分を叱咤しても、手が震えて携帯が上手く掴めなかった。
エレベーターまで後10歩ほどの距離。
携帯を取り出す為に立ち止まったあたしの横は非常階段への入口。
高級なお店ばかりある階だからか、ロビーも少々薄暗い。
その薄暗い中で光る、非常階段の印の緑のライトが、妙な雰囲気を作ってる気がして、また落ち着かない。
「ご、ごめん、何か酔ってるみたい」
ようやく取り出した二つ折りの携帯を開きながら、そんな言い訳をしたあたしを、先生は「大丈夫ですか?」って心配してくれる。
だから密かに、こんな扱い初めてかもって、過去の男にこんな風に気を遣ってもらったり、女として扱ってもらった事がない事を思い出した。
エレベーターまで後10歩ほどの距離。
携帯を取り出す為に立ち止まったあたしの横は非常階段への入口。
高級なお店ばかりある階だからか、ロビーも少々薄暗い。
その薄暗い中で光る、非常階段の印の緑のライトが、妙な雰囲気を作ってる気がして、また落ち着かない。
「ご、ごめん、何か酔ってるみたい」
ようやく取り出した二つ折りの携帯を開きながら、そんな言い訳をしたあたしを、先生は「大丈夫ですか?」って心配してくれる。
だから密かに、こんな扱い初めてかもって、過去の男にこんな風に気を遣ってもらったり、女として扱ってもらった事がない事を思い出した。