朱莉さんの不可解な一週間
過去の恋人たちは皆、恋人とは名ばかりのものだった。


友達の延長みたいな感じで、イチャイチャしたりする事もなかった。


あたしがそういうの苦手だってのもあるし、名ばかりの彼氏があたし相手にそんな気にならないって事もある。


社長の言う事は正しい。


あたしには色気がない。


男の目にはあたしって存在は女には映りにくいらしい。


女として「好き」って告白されたって、いつの間にかそれが人として「好き」って感情に変わる。


「いい奴だな」って言われた事はあるけど、「いい女だな」って言われた事はない。


それなら先生も、いつかはあたしを――。
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