朱莉さんの不可解な一週間
そんな、くだらない不安に襲われたのは、経験した事のない現状とお酒の所為だと思う。


普段のあたしならそんな事考えたりもしないのに、沢山の“慣れない事”に普段とは違う自分がいた。


乙女な感じで気持ち悪い。


くるみじゃあるまいし、何考えてんの。


そう思ってるのに不安は全然消えてくれなくて、


「赤外線……」

そう言って顔を上げたあたしに、先生は「どうかしましたか?」って困惑した声を出した。


あたしは相当悲壮(ひそう)な顔をしてたらしい。


分かりやすく「不安」が顔に出てたらしい。


真正面に立って小首を傾げた先生は、困惑の表情で一歩あたしに近付く。
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