朱莉さんの不可解な一週間
多分、ギャップに笑えるようになったのは、年齢の所為だと思う。


これが高校生の時だったら、想像とは違う現実に幻滅してたかもしれない。


だけど世の中はこういうもんなんだって――想像や理想通りにはならないんだって――年齢を重ねていく内に納得出来るようになった。


妥協(だきょう)とは違う。


現実を受け入れる力がついたんだとあたしは思う。


それからお互い特に会話をする事なく品物を詰めてスーパーの出入り口に向かった。


何か話した方がいいって思いながらも、もう話すネタも思い付かなかった。


それは先生も同じなのか、気まずさから先生にチラリと目を向けると、先生も同じような目であたしを見て、眉尻を下げ「苦笑」って感じの笑いを作った。
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