朱莉さんの不可解な一週間
「後悔してるんですか?」

そう聞いた先生の声も寂しげだった。


「後悔……?」

「僕と付き合った事をです」

「そ、そんなんじゃない」

「……本当に?」

「ほ、本当だって! あれだよ! 酔ってるだけ! ワインなんて飲み慣れてないから――ッッ」

二度目の、言葉半ばで声を失ったのは息を呑んだからじゃなかった。


先生に唇を重ねられて強制的に言葉を遮られた。


でも突然の事じゃない。


先生の顔が近付いてきてるのをあたしは分かってた。
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