朱莉さんの不可解な一週間
さっきからずっとそう自分に言い聞かせてる。


先生に連れて来られたラブホテルは、イタリアンレストランがあるビルの裏手にあった。


こんなトコにラブホテルがあった事すら知らないあたしは、結局そういう物を除外して生きてきたのかもしれない。


ラブホテルにチェックインしてまだ10分。


あたしは既にベッドの上にいる。


処女だからって無知じゃない。


それなりの事はそれなりに知ってる。


だからこうして部屋に入って、すぐにすぐベッドに押し倒されてるって事が、()()うデフォルトとして存在する事じゃないって事も分かってる。


だけど瀬能先生は、あたしをすぐに押し倒した。
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