朱莉さんの不可解な一週間
お風呂に入ろうとする事もなく、あたしにお風呂を勧める事もなく、何か飲み物でも飲んで落ち着くって事もしなければ、テレビを点けたりもしない。


ホテルに行くって決めてから会話らしい会話もなくて、セックス一直線なこの状況にちょっと尻込みし始めてる。


別に今更雰囲気がどうとか、甘い言葉が欲しいとか、そんな温《ぬる》い事を思ってる訳じゃない。


そうじゃないけど何だかこれは、ちょっと引く。


あたしをベッドに押し倒した先生は、何故だかあたしの両手を押さえ付けて離さない。


頭の上で腕を押さえられてる状態のあたしには、この状況がいまいちすっきりとしない。


これは……何だろうか。
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