朱莉さんの不可解な一週間
「先生……痛い……」

未だ離される事のない手を離してもらうべくそう告げた。


「え? 痛……?」

あたしの言葉に困惑の声を出し、少し離れた先生は不安げな眼差しで。


「手……痛い」

あたしがそう言いながら押さえ付けられてる腕がある頭の上に視線を向けると、慌てたように手を離した。


「す、すみません」

「ん、もう大丈夫」

「あの、僕――」

「大丈夫だよ」
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