朱莉さんの不可解な一週間
「……すみません」

「大丈夫だってば」

クスクスと、そんな余裕なんて本当はないのに笑ってみせたあたしに、先生は申し訳なさそうな目を細めて微かに笑う。


ダウンライトだけが点けられた室内はそれなりのムードが漂ってて、先生の表情に色気を感じさせた。


気を取り直したように近付いてくる唇は、唾液で湿って(なま)めかしい。


重ねられた薄い唇から伸びてくる、肉厚な舌があたしの口の中を先生の匂いでいっぱいにさせる。


キャミソールの裾からスッと入ってくる先生の手は熱い。


(じか)に肌に触れてくるその手は、見てる時よりも指が細い。
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