朱莉さんの不可解な一週間
「すみません。やめておきましょう」

自分でも何を言おうとしたのか分からないあたしを遮り、先生はそう言うとあたしの体にシーツを巻き付ける。


その動きが、まるで汚い物を隠すような動きに思えて、さっきまで帯びてた全身の熱が一気に下がるのを感じた。


「先生……?」

「すみません」

「……何が?」

「すみません」

目を合わせようとしない先生は只管(ひたすら)に謝る。


あたしはどうして先生が謝るのか分からない。


でも。


「あの――」
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