朱莉さんの不可解な一週間
「聞いてたけども」

『なら、いいじゃん。で、6時でいい?』

「あたし、お金ないし」

『あんたがお金持ってるとこ見た事ないけど!?』

「くるみの奢りなら行く」

『8割あたしが奢ってんだけど!?』

「その10割、あんたのバカな話聞いてやってんでしょ」

あたしのその言葉に『減らず口』って言ったくるみは、それでも『奢るから絶対来なよね』って言って電話を切る。


元々一人が嫌いらしいくるみは、男が出来るとその寂しがりな部分が増幅する。


男がいて当たり前の状態なのに、ポッと一人にされるのが我慢出来ないらしい。


だからくるみは男が出来ると、男ばっかりに構う反面、時間が空くとすぐに会おうとしてくる。
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