朱莉さんの不可解な一週間
振り返ると先生は、さっきと同じ場所に立ち、こっちを見てるけど近付いてくる様子はない。


だから聞き間違えたのかと、「呼んだ?」って聞こうとした矢先。


「さっきの話なんですが」

先生はやっぱりその場に(とど)まったまま口を開いた。


「さっきの話?」

「はい。仕事が忙しくて、男性に出会う暇がないという話です」

「あっ、うん。それが何?」

「本当ですか?」

「へ?」

「本当に彼氏がいない?」
< 15 / 324 >

この作品をシェア

pagetop