朱莉さんの不可解な一週間
「自分で行って下さいよ!」

『今、手ぇ離せねえんだ。ノッてきてる』

「……」

『資料のリストはメールで送るから、風呂入ってから買って持ってきて』

「時間掛かりますよ?」

『いい、いい。とりあえず頼むわ』

「分かりました」

『お前、暇人だな』

「はあ!?」

休日に、人におつかいを頼んだくせに、そんな捨て台詞を吐いて社長は電話を切る。


機嫌が悪いから、煮ても焼いても食えない相手にまんまと使われてる自分にイライラして、ゆっくりお風呂に入ってから行ってやろうと、あたしはその場で服を脱ぎ捨てた。


お風呂場に向かう途中でメール着信音が鳴ったけど、出てからしか見てならないと決めたあたしは、そのメールを無視してやった。
< 153 / 324 >

この作品をシェア

pagetop