朱莉さんの不可解な一週間
「えー? 怪しい」

「怪しくないです」

もうそれ以上は聞きたくないって思ってるのに、耳が勝手にその会話を拾う。


「本当にィ?」

「本当に」

もう沢山だって思うのに、会話は止まらない。


――辞めた理由。ヤバい。


思考回路は止まってるのに思い出すくるみの言葉。


――何か、女子生徒に手ぇ出したんだって。


場違いなくらい、「ああ、これが」なんて思ってる自分がいる。
< 163 / 324 >

この作品をシェア

pagetop