朱莉さんの不可解な一週間
「社長! 仕事して下さいよ!」

「おっ! 喋った! そっちが先に喋ったんだからな!? 珈琲は淹れろよ!?」

しつこさに業を煮やして社長に文句を言ったら、鬼の首を取ったかのような得意げな顔で返された。


「じゃあ、珈琲淹れるから仕事に集中して下さい!」

「俺、今うまこのレイアウト待ちだもん」

「なら余計に静かにしてて下さい! 喋りながら出来るほど、あたし器用じゃないです!」

「だって暇なんだもん」

「その言い方、物凄くイラつく!」

「イラつかせてんだもん」

「はあ!?」

「怒ってると、悲しい気持ちがなくなるだろ?」
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