朱莉さんの不可解な一週間
「話せばどこに傷付いたか分かるかもしれねえだろ?」

「分かる必要ってあります?」

「分からん事には向き合えないだろ」

「向き合う?」

「向き合えないと先に進めねえ」

「……」

社長の言う事に一理あると思ってしまったのは、相当な落ち込みからの気の迷いかもしれない。


子供な大人の言葉に諭されるなんて普段じゃ絶対にあり得ない。


だけどこの時ばかりは社長の言葉に従った方がいいような気がした。


事務所の端に置いてある、3人掛けのボロいソファに並んで座って、あたしが社長に話したのは、1週間前からの出来事。
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