朱莉さんの不可解な一週間
出来るだけ柔らかく、来るべき時が来るまではと愛想笑いをしたあたしに、


「食事は無理……なんですよね?」

先生は表面上だけ「がっかり」した顔を作る。


そして、上等だ――って、思うあたしにまた更に一歩近付き、


「お話があるそうですが、何でしょうか? 喫茶店かどこかに入って話しますか?」

ぬけぬけとそう(のたま)った。


「あー、そんなに長く話すつもりないから、ここでいいや」

「仕事が忙しい?」

「ううん。そんなに長く話すつもりないってだけ」
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