朱莉さんの不可解な一週間
「……」

顔面蒼白。


そんな言葉がお似合いだった。


あたしが処女だって知った時よりも顔を強張らせた先生は、そこから一気に血の気を引いて、石化でもしたのかってくらいに体を硬くする。


分かりやす過ぎるその態度に、騙すつもりなら最後まで騙し通してくれって、見当違いな事を思ったけど、それは本心でもあった。


騙し通してくれれば、こんな惨めな気持ちになる事はなかった。


それなりにいい思い出として、処女を捨てた記憶になる。


なのに先生はあからさまな動揺を隠さないで、口を半開きにしたまま次に出す言葉を探してるみたい。
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