朱莉さんの不可解な一週間
火曜日 18:25
夏の終わり。
世間じゃどこも禁煙運動が盛んなのにも拘わらず、視界を悪くするくらい紫煙が立ち込める職場から、社長に頼まれて買い物に出たあたしは、駅前のスーパーのお弁当売り場で初恋の相手を見つけた。
「もしかして、瀬能先生?」
ただ掛けた声が遠慮がちで小さかったのは100%確信してる訳じゃなかったからで、いくら初恋の相手とは言え7年の歳月の所為でぼんやりとしてしまったその記憶に今ひとつ自信がなかったからだった。
だけど、あたしの記憶力は満更悪い訳じゃないらしい。
声を掛けたその人は、眺めていたお弁当からあたしに目を向け、驚いたようにその目を見開く。
世間じゃどこも禁煙運動が盛んなのにも拘わらず、視界を悪くするくらい紫煙が立ち込める職場から、社長に頼まれて買い物に出たあたしは、駅前のスーパーのお弁当売り場で初恋の相手を見つけた。
「もしかして、瀬能先生?」
ただ掛けた声が遠慮がちで小さかったのは100%確信してる訳じゃなかったからで、いくら初恋の相手とは言え7年の歳月の所為でぼんやりとしてしまったその記憶に今ひとつ自信がなかったからだった。
だけど、あたしの記憶力は満更悪い訳じゃないらしい。
声を掛けたその人は、眺めていたお弁当からあたしに目を向け、驚いたようにその目を見開く。