朱莉さんの不可解な一週間
何となく居心地が悪くて手持無沙汰にあたしも珈琲に手を伸ばすと、


「僕がここで働いてるというのは信じてもらえましたか?」

先生が小さな声でそう聞いた。


「それは……まあ……」

「ここで働いて3年になります」

「……そっか」

「学校の教師を辞めてから一度サラリーマンをしたんですけど、やっぱりどうしてもこの仕事が好きで」

「……へえ」

「前に話した事、覚えてませんか? 天職だと思えるきっかけがあったっていう話」

「あ、うん」
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