朱莉さんの不可解な一週間
「……」

「あたし――」

「良かった……」

大きく息を吐いたのと同時に出てきた先生のその言葉は、心底ホッとしたって感じの渾身の言葉で、


「明日にでも吉岡さんの会社に行って、社長さんを殴ってやろうかと思ってました」

柄にもなくそう言うから、思わず笑ってしまった。


「笑い事ですか?」

「笑い事だね」

「まあ、そうですね」

「でしょ?」

クスクスと笑うあたしの唇に、先生の視線が向けられる。
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