朱莉さんの不可解な一週間
「見られてない」

「ん?」

「どこに住んでるか教えてません」

「マジか」

呆れたような感心したような、何とも言えない声を出した社長は、まだ何かを言い掛けてすぐにそれを呑み込み、


「一葉ちゃんとか、くるみちゃんのトコは? 泊めてもらえねえのか?」

誰でも考え付くような事を口にした。


「くるみは週末、彼氏のトコに泊まってるから無理で、一葉は仕事で何時になるか分からないし、ひとりで住んでる訳じゃないから」

「ああ、一葉ちゃん、ルームシェアとかってのやってんだっけか」

「そうです」
< 235 / 324 >

この作品をシェア

pagetop