朱莉さんの不可解な一週間

ステーキ！――って、素直に喜べなかったのは、先生が連れてってくれるのがきっとまた高級志向な店だって思ったからで、


「あ、あんまり高いお店じゃなくていいよ？」

「僕がご馳走するんで遠慮しなくていいですよ」

にっこりと笑って答えた先生のその言葉に、「やっぱり」って確信に気が重くなった。


そんなあたしを先生が連れてってくれたのは、ステーキはステーキだけど鉄板焼きってやつだった。


カウンターの鉄板の前に座らされて、目の前でシェフだか何だか分かんない人がステーキ肉を焼いてくれる。


もちろんそれは肉だけじゃなくて、野菜やら魚介類やらもどんどん出てきて、世間一般で言うところの「コース料理」ってやつだった。