朱莉さんの不可解な一週間

あたしは自分がどんな表情してるのか分かんないけど、先生はあたしの顔を見てハッとしたように怒りを鎮(しず)め、


「大人になるという事と、頼るという事は違うでしょう」

項垂れるようにそう言うと、額に手を当てた。


「いいですか？　頼るから大人げないという訳じゃない。特にあなたが僕に頼る事は当たり前の事なんです」

「当たり前？」

「そうです。だって僕はあなたの彼氏でしょう？　しかも結婚をしようとまで言った」

「……うん」

「そんな僕に頼らないでどうするんですか？　僕を好きな人も守れない男にしたいんですか？」

「……」

「吉岡さん、あなたは僕が好きですか？」