朱莉さんの不可解な一週間
「吉岡さんも腹減っただろう!?」

そう言った社長が、その言葉の後ビクンッと小さく体を震わせたのは、先生が「では、」と言ったのと同時にパタンと本を閉めたから。


その音に社長だけじゃなく他の社員も少し体を震わせて、みんなの目が先生の方に向けられる。


だけど先生はそんな事まるで気にしないように、


「では、帰りましょうか」

にこやかにあたしに笑い掛ける。


そしてあたしは嫌々ながらも、


「…………うん」

その言葉に従うしかない。
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