朱莉さんの不可解な一週間
「だってみんな気が散って仕事出来ないし、あたしに気を遣ってこうやって早く帰らされるし! あたし、ちゃんと仕事がしたいんだけど! 先生と付き合ったからって仕事が出来ないなんて困るんだけど!」

ヤバいよりも負けるか精神が勝ったあたしは気付けばそう喚いてた。


それが完全な失敗。


完敗戦の原因。


力ならともかく、口で先生に勝てる訳がない。


「仕事はしてるでしょう。僕は『辞めろ』なんて一言も言ってない」

「そ、そうだけど、先生がいるとみんな気を遣って帰れって言うじゃん!」

「気を遣って何が悪いんですか? あなたが気を遣われるのは当然でしょ」

「は!?」
< 316 / 324 >

この作品をシェア

pagetop