朱莉さんの不可解な一週間
「今まで気を遣われなかった事がおかしい。あなたは『女性』なんですよ? 遅くまで仕事をさせておくなんてバカげてる。早く帰らせるのが当然です」

「はあ!?」

「遅くまで残業した帰り道に何かあった時、誰が責任を取るんですか?」

「だ、誰って――」

「あの社長が責任を取ってくれるとでも言うんですか?」

「そ、それは……」

「何かあった時、僕よりもあの社長の方が悲しむとでも思ってるんですか?」

「で、でも、何かあるって決まった訳じゃ――」

「当たり前です! 何かあってからでは遅いんです!」

「……………」

「それに、そもそも僕を事務所に招き入れたのはあなたでしょう」
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