朱莉さんの不可解な一週間
今にして思えば、「そんな事に?」って思う事に、あの頃のあたしは胸をトキメかせてた。


でもあの頃の感情が、一番素直な感情だったと思う。


「で? その先生がどうしたの?」

瀬能先生を思い出して、何の話なのか少しは興味を持ったらしいくるみは、あたしの枝豆に手を伸ばしながら聞いてくる。


隣にいる一葉も、早く続きが聞きたいって感じで、ジッとあたしを見てくるから、逆に言い難くなった。


どう言えばいいのか分かんない。


自分でも理解出来ない事を、このふたりに言って理解出来る訳がない。


偶然会って、ちょっと話して、そしたら結婚前提に付き合ってって言われたって、そんなおかしな話、笑われるに決まってる。
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