朱莉さんの不可解な一週間
少なくてもくるみは笑う。


指差して笑いやがるに決まってる。


そう思うと、こんなバカげた話をふたりに聞かせる事もないかっていう逃げの気持ちが勝ってしまった。


だから。


「昨日、偶然スーパーで会ったってだけ。あんたたちも覚えてるかなって思って聞いただけよ」

それだけ言って煙草を灰皿に押し当てた。


本当にバカげてる。


何を真剣に考えてたんだろ。


こんなの考えるまでもない。


時間の無駄だ。


そもそも「考えといて」って言われたけど、連絡先を聞かれた訳でもなくて、もう先生に会う機会なんてない。
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