朱莉さんの不可解な一週間
「はあ!?」

ただの僕の願望でした――っていう言葉を頭の中で数回反芻(はんすう)してから、ようやく可愛げが全くない驚きの声が出た。


でも先生は、あたしのその驚きにも動じなかった。


「今日のお仕事は何時に終わりますか?」

眉の動きひとつ変えないであたしを見つめ、これまでのやり取りや、これからのやり取りを全部すっ飛ばして、突然そんな質問をしてくる。


その余りの唐突(とうとつ)さに、


「へ? 7時とか7時半とか……?」

授業中に授業を聞かないで他の事をしていて突然「この問題に答えなさい」って指名された生徒の(ごと)く、無防備にその質問への答えを言ってしまった。
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