朱莉さんの不可解な一週間
「では、8時にここで」

またにっこりと笑って、軽く手を挙げ行ってしまった。


神出鬼没。


偶然に会った先生は、いつも謎を残して消えていく。


あたしを混乱させても何の得にもならないのに、混乱だけを撒き散らして去っていく。


いくら考えても解けない問題を宿題に出されたみたいで落ち着かない。


それでも、一瞬「気になってた」って言葉にドキッとした自分がバカだって答えだけはすぐに出せた。
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