朱莉さんの不可解な一週間

木曜日 20:35

「本当にここでよかったんですか?」

真向かいに座った瀬能先生は、騒然とした食堂の中を見回しそう言って、店のおばちゃんが入れてくれた薄いお茶を一口飲んだ。


「見た目で判断しないで。ここ、美味(おい)しいんだから」

駅近くの裏通りにある古びた食堂は、常連客しかいない。


入口に「一見(いちげん)さんお断り」って書いてある訳でもないのに、今にも入口にある看板が落ちてきそうな超レトロな店構えはそう言ってるように思える。


()く言うあたしも自分からこの店に入った訳じゃなく、社長に連れてこられたのがきっかけだった。


「いえ、決して味がどうこうという意味では……」
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