朱莉さんの不可解な一週間
金曜日 17:10
「おぉ! うまこにも衣装!」
「社長さん。それを言うなら『馬子《まご》にも衣装』ですよ」
たまにではあるものの、年月を経てすっかり社長や社員と顔なじみになるくらいはうちの会社に来た事がある一葉が、化粧道具一式と服を持ってやって来たのは、30分ほど前の事。
「流石、一葉ちゃん! 突っ込みどころを分かってるな!」
「社長さんは今日もとっても面白いですね」
おじ様にしか興味がない一葉には珍しく、うちの社長とはそれなりにお愛想抜きで世間話が出来る。
でも残念ながらその理由が「男に見えない」からだって事を、社長が分かってるのかは疑問で。
「おい、うまこ。一葉ちゃんにお茶を淹れて差し上げなさい」
「社長さん。それを言うなら『馬子《まご》にも衣装』ですよ」
たまにではあるものの、年月を経てすっかり社長や社員と顔なじみになるくらいはうちの会社に来た事がある一葉が、化粧道具一式と服を持ってやって来たのは、30分ほど前の事。
「流石、一葉ちゃん! 突っ込みどころを分かってるな!」
「社長さんは今日もとっても面白いですね」
おじ様にしか興味がない一葉には珍しく、うちの社長とはそれなりにお愛想抜きで世間話が出来る。
でも残念ながらその理由が「男に見えない」からだって事を、社長が分かってるのかは疑問で。
「おい、うまこ。一葉ちゃんにお茶を淹れて差し上げなさい」