朱莉さんの不可解な一週間
それでもやっぱり先生の態度は落ち着き払ってて、落ち着かないのはあたしだけらしい。


「こ、こういうトコよく来んの?」

「いえ。初めてです」

「それにしては落ち着いてない!?」

「そうですか?」

「慣れてる感じがするんだけど!?」

「そんな事ないですよ」

ニコニコと余裕の笑みを浮かべる先生は、またメニューに目を向けて、「何にするか決まりましたか?」なんて聞いてくる。


法外だとしか言いようがない値段の食べ物を「決まりましたか?」って、高架下の居酒屋で聞くかのように聞いてくる。
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