朱莉さんの不可解な一週間
その顔は、明らかに「何にしますか?」って聞いてるから、あたしは周りを見回してギャルソンがこっちを見てない事を確認してから、


「あたし、こんな店じゃなくて普通の居酒屋でいいよ」

早口で囁いた。


「どうしてですか?」

「だって先生もこんなトコ初めてなんでしょ!?」

「はい」

「何もこんな無理しなくてよくない!?」

「無理はしてません」

「もっと行き付けの店とかでよくない!?」

「今日は特別なので」

「特別!? 先生、誕生日とか!?」
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