いつか淡い恋の先をキミと
「……」
「いつも本音を隠してるヒロインが向日葵の花言葉になぞらえて言った最後の言葉にもう凄く感動したの! あたしも誰かのことだけを見つめられるような向日葵になりたいって思ったの!だって素敵じゃない? 向日葵は本当にかっこいい――って思ったの」
「……」
「あ、ごめんね…こんな変なこと言って。引いちゃったよね…?」
「……違うよ、そんなにもこの本が好きなんだ…って思ったら、なんだか可愛いなって思えて」
「え!? か、かわいい!?」
「あ、ごめん! そういう意味じゃなくて!」
「…否定されるとそれはそれで…」
「た、確かに…」
ぷふっーーっと声を出して笑ったのは同時だった。
なんて楽しいんだろう。
好きな本の話を一方的にしてるだけなのに、と思った矢先、
「一ノ瀬さん、俺もその場面凄く感動したよ。向日葵の太陽への愛は美しいよね」
「だよね!共感してくれて嬉しい!ありがとう、優しいんだね榛名くんは」
あたしの一方的だった話をきちんと返してくれた。
それも今まで誰にも話したことのなかった、自分の一番感動したシーン――それもドラマとかじゃなくて、活字だけの本――にこんなにも優しい言葉を掛けてくれる人は多分今まであたしの周りにはいなかった。
うちはお母さんもお父さんも本は読まないし、本は買うぐらいなら図書館に行けっていうぐらい。
違うのに。
家でゆっくりと読みたいし、読み返したいと思った時に読み返せるのが一番いいのに。
でもあたしも自分のお小遣いを全部本を買うのに使えるわけではないから、図書館にはよく行くけど。
それから榛名くんとはその他にもこの本を書いている作家さんの違う作品についての感想も言い合った。
次の日もその次の日もあたしは榛名くんと色んな本について語り合った。
あたしが読んだことのある本の八割は榛名くんも読んでいた。
聞けば聞く程、読書愛好家である榛名くんはミステリーものから恋愛もの、さらには時代小説からアクションもの、それに極々たまにライトノベルまで読むらしいことが分かった。
時代小説は流石に読んだことないなぁ、と考えながら色んな本を読んだ経験のある榛名くんの話の虜になった。
「いつも本音を隠してるヒロインが向日葵の花言葉になぞらえて言った最後の言葉にもう凄く感動したの! あたしも誰かのことだけを見つめられるような向日葵になりたいって思ったの!だって素敵じゃない? 向日葵は本当にかっこいい――って思ったの」
「……」
「あ、ごめんね…こんな変なこと言って。引いちゃったよね…?」
「……違うよ、そんなにもこの本が好きなんだ…って思ったら、なんだか可愛いなって思えて」
「え!? か、かわいい!?」
「あ、ごめん! そういう意味じゃなくて!」
「…否定されるとそれはそれで…」
「た、確かに…」
ぷふっーーっと声を出して笑ったのは同時だった。
なんて楽しいんだろう。
好きな本の話を一方的にしてるだけなのに、と思った矢先、
「一ノ瀬さん、俺もその場面凄く感動したよ。向日葵の太陽への愛は美しいよね」
「だよね!共感してくれて嬉しい!ありがとう、優しいんだね榛名くんは」
あたしの一方的だった話をきちんと返してくれた。
それも今まで誰にも話したことのなかった、自分の一番感動したシーン――それもドラマとかじゃなくて、活字だけの本――にこんなにも優しい言葉を掛けてくれる人は多分今まであたしの周りにはいなかった。
うちはお母さんもお父さんも本は読まないし、本は買うぐらいなら図書館に行けっていうぐらい。
違うのに。
家でゆっくりと読みたいし、読み返したいと思った時に読み返せるのが一番いいのに。
でもあたしも自分のお小遣いを全部本を買うのに使えるわけではないから、図書館にはよく行くけど。
それから榛名くんとはその他にもこの本を書いている作家さんの違う作品についての感想も言い合った。
次の日もその次の日もあたしは榛名くんと色んな本について語り合った。
あたしが読んだことのある本の八割は榛名くんも読んでいた。
聞けば聞く程、読書愛好家である榛名くんはミステリーものから恋愛もの、さらには時代小説からアクションもの、それに極々たまにライトノベルまで読むらしいことが分かった。
時代小説は流石に読んだことないなぁ、と考えながら色んな本を読んだ経験のある榛名くんの話の虜になった。