いつか淡い恋の先をキミと
キミへの想いは許されない。
陽平くんとデートをした次の月曜日、私たちの間に流れる空気はいつもと何ら変わりがなかった。
登校している最中も、休み時間も、下校をしていた時も。
驚くほどにいつもと変わりがなかった。
先日、好きだと言ったのが嘘かのような私と陽平くんの関係に世の中のカップルはこんなものなのかと納得していいのかわからなくなった。
「家」に帰ってから「お母さん」がまだ帰っていないことに気付いて、特に意味もなく私服に着替えてから外へと出た。
目的もなく出掛けたから、本当にブラブラと歩いているだけだった。
それでも少し駅に近付いた所に本屋さんを見つけて、自分が確かめたいことを思い出して入ってみた。
自動ドアをくぐり抜け、小説コーナーへと足を運んだ。
確かタイトルは「向日葵の太陽」だったはず。
そう思い出し、端から順番にそのタイトルを探し始めていたその時だった。
「一ノ瀬さん?」
視界の端に捉えた人物に名前を呼ばれ、咄嗟に振り返った。
「…榛名くん、」
「本、探してるの?」
「え、あ、うん。そうなんだけど…」
「何の本?一緒に探すよ」
「いや、あの…」
榛名くんと会ったことで、自分がその本を探して何をしたかったのか目的が分からなくなった。
元々、「家」にもあるその本をこの本屋さんで見つけても何にもならないのに。
「一ノ瀬さん」
「……うん?」
「探してる本ってさ、これ?」
登校している最中も、休み時間も、下校をしていた時も。
驚くほどにいつもと変わりがなかった。
先日、好きだと言ったのが嘘かのような私と陽平くんの関係に世の中のカップルはこんなものなのかと納得していいのかわからなくなった。
「家」に帰ってから「お母さん」がまだ帰っていないことに気付いて、特に意味もなく私服に着替えてから外へと出た。
目的もなく出掛けたから、本当にブラブラと歩いているだけだった。
それでも少し駅に近付いた所に本屋さんを見つけて、自分が確かめたいことを思い出して入ってみた。
自動ドアをくぐり抜け、小説コーナーへと足を運んだ。
確かタイトルは「向日葵の太陽」だったはず。
そう思い出し、端から順番にそのタイトルを探し始めていたその時だった。
「一ノ瀬さん?」
視界の端に捉えた人物に名前を呼ばれ、咄嗟に振り返った。
「…榛名くん、」
「本、探してるの?」
「え、あ、うん。そうなんだけど…」
「何の本?一緒に探すよ」
「いや、あの…」
榛名くんと会ったことで、自分がその本を探して何をしたかったのか目的が分からなくなった。
元々、「家」にもあるその本をこの本屋さんで見つけても何にもならないのに。
「一ノ瀬さん」
「……うん?」
「探してる本ってさ、これ?」