いつか淡い恋の先をキミと
急いで図書室へ向かうと、ちょうどそこから榛名くんが出て来る途中で。
「榛名くん!」
「一ノ瀬さん、どうしたの?」
しまった…!
特に用事はない!
それも追い掛けてきてまで呼び止めてしまうほど用事なんて!
「と、とと、図書室に行こ…かなーって」
「そうなんだ?あ、タオル返さなきゃだめなんだけど昨日渡すタイミングがなくて今日は持って来るの忘れたんだ…ゴメンね、一ノ瀬さん」
「そ、そんなのいつでもいいよ!気にしないで!」
「本当にゴメンね。明日は必ず持ってくるから。じゃあね」
それだけ言うと本当にあたしに背を向けて教室の方に帰っちゃう榛名くんの制服のシャツを気が付いたら掴んでしまっていて、
「ま、待って…!」
その掴んでしまった反動でちょっとだけ前のめりになってから後ろに引っ張られる感覚に榛名くんが「わ、」と声を出しながら後ろに振り返り、
「どうしたの、一ノ瀬さん」
ちょっと驚いた声を出す。
「ほ、本当は…っ、榛名くんと喋りたくて…、追いかけてきたのです!」
「えっ?」
「図書室なんて嘘…なのです」
「そうだったんだ」
「迷惑…ですか?」
「どうしてそんなに敬語なの、一ノ瀬さん」
あたしより10センチ以上背の高い榛名くんがあたしの目をじっと窺うようにその疑問を投げかけてくる。
「榛名くん!」
「一ノ瀬さん、どうしたの?」
しまった…!
特に用事はない!
それも追い掛けてきてまで呼び止めてしまうほど用事なんて!
「と、とと、図書室に行こ…かなーって」
「そうなんだ?あ、タオル返さなきゃだめなんだけど昨日渡すタイミングがなくて今日は持って来るの忘れたんだ…ゴメンね、一ノ瀬さん」
「そ、そんなのいつでもいいよ!気にしないで!」
「本当にゴメンね。明日は必ず持ってくるから。じゃあね」
それだけ言うと本当にあたしに背を向けて教室の方に帰っちゃう榛名くんの制服のシャツを気が付いたら掴んでしまっていて、
「ま、待って…!」
その掴んでしまった反動でちょっとだけ前のめりになってから後ろに引っ張られる感覚に榛名くんが「わ、」と声を出しながら後ろに振り返り、
「どうしたの、一ノ瀬さん」
ちょっと驚いた声を出す。
「ほ、本当は…っ、榛名くんと喋りたくて…、追いかけてきたのです!」
「えっ?」
「図書室なんて嘘…なのです」
「そうだったんだ」
「迷惑…ですか?」
「どうしてそんなに敬語なの、一ノ瀬さん」
あたしより10センチ以上背の高い榛名くんがあたしの目をじっと窺うようにその疑問を投げかけてくる。