いつか淡い恋の先をキミと
思わず声を掛けたあたしは、
カラオケに行った日から一週間が経ち、週末が明けた月曜日。
今日からまた金曜日まで学校があると考えるとどうしても憂鬱になってしまいがちで、おまけに今週からあたしは週番の当番で朝早くに学校に来てみんなに挨拶をする為に校門に立たなければならなかった。
六月に入って、だんだんと暑くなってくるこの季節、校門に立っているというだけでも体力を消耗してしまう。
「おはようございます」
そんな挨拶を特別誰にというわけでもなく、何回も繰り返し来る人来る人に向かって、軽く頭を下げる。
そしてもうそろそろ戻る時間に差し掛かった時だった。
君が登校してきたのは。
登校中だから本を読んでいないのは当たり前だけど、やっぱり本を読んでいないその姿は新鮮に見えた。
「お、おはようございます…!」
その姿に思わず見入っちゃいそうになって、あたしの役目を思い出し挨拶すると予想外に大きな声になってしまい、恥ずかしくて顔を下に向けたあたしの方を、
「おはようございます」
チラッと、ほんのチラッとだけ見ながら挨拶を返してくれた君に心が踊った。
こんなの相手の事を意識してるのがバレバレなんじゃないかって心配になっちゃうほど、あたしは君の背中が見えなくなるまで目で追っていた。
「おい、一ノ瀬、もう時間終わったぞ?」
そして先生があたしに声を掛けてくるまで何を考えるでもなくボーッとしていた状態から我に返り、それから職員室まで週番日誌を取りに行ってから教室に戻った。
その足取りは妙に軽く、今日からの週番も別に悪くないんじゃないかと思い始めた。
今日からまた金曜日まで学校があると考えるとどうしても憂鬱になってしまいがちで、おまけに今週からあたしは週番の当番で朝早くに学校に来てみんなに挨拶をする為に校門に立たなければならなかった。
六月に入って、だんだんと暑くなってくるこの季節、校門に立っているというだけでも体力を消耗してしまう。
「おはようございます」
そんな挨拶を特別誰にというわけでもなく、何回も繰り返し来る人来る人に向かって、軽く頭を下げる。
そしてもうそろそろ戻る時間に差し掛かった時だった。
君が登校してきたのは。
登校中だから本を読んでいないのは当たり前だけど、やっぱり本を読んでいないその姿は新鮮に見えた。
「お、おはようございます…!」
その姿に思わず見入っちゃいそうになって、あたしの役目を思い出し挨拶すると予想外に大きな声になってしまい、恥ずかしくて顔を下に向けたあたしの方を、
「おはようございます」
チラッと、ほんのチラッとだけ見ながら挨拶を返してくれた君に心が踊った。
こんなの相手の事を意識してるのがバレバレなんじゃないかって心配になっちゃうほど、あたしは君の背中が見えなくなるまで目で追っていた。
「おい、一ノ瀬、もう時間終わったぞ?」
そして先生があたしに声を掛けてくるまで何を考えるでもなくボーッとしていた状態から我に返り、それから職員室まで週番日誌を取りに行ってから教室に戻った。
その足取りは妙に軽く、今日からの週番も別に悪くないんじゃないかと思い始めた。