いつか淡い恋の先をキミと
何かあるの。何があるの。何を隠してるの。


意識しなければ今すぐにでも聞いてしまいたい衝動に駆られる。


だけどそれを必死に抑えるのは、


「陽平くん」


私の信じたい人にそばにいてもらいたいから。


「なんだ?」


「私と一緒に帰ってね」


「当たり前だろ」


「うん」


「おい、陽平、今すげぇ照れてんだろ」


「は?別に照れてねぇよ、バカ野郎」


「またまたぁ、照れちゃう陽ちゃん好きよ」


「てめぇが陽ちゃん言うな。気色悪ぃな」


「じゃあ陽平くん」


「やめろ、それはくるみ限定だ」


「限定とか言っちゃうところがもうきゃわたん」


「お前マジでウザい」


「口が悪いところも好き」


「黙れ、パセリ」


「ちょっ、パセリは酷くね⁉︎」


「うるせえ、パセリ」


「せめて大根の方が――」


「おい、大根」


「――やっぱ嫌だ!」


「いや、大根だな。大根って良い意味に使わねぇしな。大根足に、大根役者に――」


「もうそれくらいにしておいた方がいいよ、陽ちゃん」


「そうだそうだ!」


「お前が言うと勘に触るけど、悠実が言うなら仕方ねえ」


「差別だ差別!」


「区別だっての」


「拓哉ももうやめてってば」


「……ごめんなさい」
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