いつか淡い恋の先をキミと
一通り会話が落ち着けば、そこには笑いが待っていて。


みんなといれば何もかもが楽しいことに変わる、そんな気がした。


そしてこの後先生が入ってきて、始業式が30分くらいで終わりあっという間に終わりのホームルームを迎えた。


「じゃあこれでホームルームを終わりますが、明日から夏休みの気分を変えて授業に臨むように」


そんな言葉でホームルームも終わりを告げ、陽平くんたちと一緒に歩いて帰った。


教室を出る前、チラリとあの人の席に目を向けると、向こうもこちらの方向を見ていたのか目があった。


思わず逸らしてしまった自分が嫌になって、またすぐに視線を戻したけどもうあの人はこっちを見ていなかった。


なんとなくショックを受けて教室を後にした。


そしてそんなショックも時間が経つごとに薄れていき、次第に何事もなく二週間が過ぎ去ろうとしていた。


毎日陽平くんたちと一緒に来て帰る、その繰り返しだった。


時々あの人と目が合うのは気のせいだということにして、深くは何も考えずに過ごしていた。


だけど今日の昼休みに担任の先生に、放課後に生徒指導室に来るように言われた為、みんなに一緒に帰れない旨を伝えた。


すると陽平くんは待つといいだし、他のみんなもそう言ってくれたけど、それは悪いからと断った。


もうみんながいなくても一人で家には帰れるから大丈夫だと何度も伝えた。


私もそろそろ一人で出来るようにならないとダメだからということも伝えた。


そしてようやく納得してくれたのか、分かったと言ってくれた陽平くんにみんなも頷いた。
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