目覚めたら、社長と結婚してました
「怜二さん、ありがとうございます」
「急にどうした?」
驚きつつも怜二さんは私の肩に腕を回してくれる。私は顔を彼の胸にうずめて笑顔になった。
「なんとなく甘えたくなりました」
甘えてもいいと言ってくれたのは彼だから、素直に今の気持ちを告げる。怜二さんは慈しむように私の頭を撫でてくれた。彼に触れられることが純粋に嬉しい。
そっと顔を上げると、怜二さんと目が合った。そして頬に手を添えられるとおもむろに唇が重ねられる。触れられるだけのキスを幾度となく繰り返し、唇が離れた。
じっと彼を見つめたままでいると、ふっと微笑まれて頭に大きな手が乗せられる。
「物足りない、って顔してるな」
「そ、そんなこと」
慌てて否定しようとしたら、怜二さんは机の上に置いてあった紙袋を渡してきた。
「ほら」
中身を確認すると、私の好きな作家の最新作が入っている。
「……ありがとうございます」
驚きと嬉しさで私は表紙をまじまじと見つめた。発売したばかりの新書独特の香りがする。帯には『シリーズ史上最高傑作』と書かれているが、発売されるたびに言われているような……。
「一気に読むとぶっ倒れるぞ」
「怜二さん。過保護ですよ。大丈夫ですって。それに仕事も休んでいますし、頭を働かせないと鈍ります」
「これ以上、どう鈍くなるんだ」
「失礼ですね」
口ではそう言ったものの、本をもらった嬉しさで怜二さんの発言も気にならない。
「急にどうした?」
驚きつつも怜二さんは私の肩に腕を回してくれる。私は顔を彼の胸にうずめて笑顔になった。
「なんとなく甘えたくなりました」
甘えてもいいと言ってくれたのは彼だから、素直に今の気持ちを告げる。怜二さんは慈しむように私の頭を撫でてくれた。彼に触れられることが純粋に嬉しい。
そっと顔を上げると、怜二さんと目が合った。そして頬に手を添えられるとおもむろに唇が重ねられる。触れられるだけのキスを幾度となく繰り返し、唇が離れた。
じっと彼を見つめたままでいると、ふっと微笑まれて頭に大きな手が乗せられる。
「物足りない、って顔してるな」
「そ、そんなこと」
慌てて否定しようとしたら、怜二さんは机の上に置いてあった紙袋を渡してきた。
「ほら」
中身を確認すると、私の好きな作家の最新作が入っている。
「……ありがとうございます」
驚きと嬉しさで私は表紙をまじまじと見つめた。発売したばかりの新書独特の香りがする。帯には『シリーズ史上最高傑作』と書かれているが、発売されるたびに言われているような……。
「一気に読むとぶっ倒れるぞ」
「怜二さん。過保護ですよ。大丈夫ですって。それに仕事も休んでいますし、頭を働かせないと鈍ります」
「これ以上、どう鈍くなるんだ」
「失礼ですね」
口ではそう言ったものの、本をもらった嬉しさで怜二さんの発言も気にならない。