目覚めたら、社長と結婚してました
記憶をなくして、ほぼ初対面の関係から始まったけれど、怜二さんと一緒に過ごして、彼のことを知って、好きになって。それは今の私の気持ちだ。
ぶっきらぼうで怖いと思っていたのに、ちゃんと私のことを見ていてくれて、考えてくれている。強引なくせに無理をさせることはなく優しくて。
彼に触れられると、隣にいてくれるとすごく安心する。そばにいて欲しいって思う。
でもこの気持ちって怜二さんにとってはどうなんだろう。もしも割り切った関係で結婚したなら、迷惑にしかならない。
私は彼のことをどう思って結婚したんだろう。怜二さんは?
「……私のこと、少しは好きだった?」
顔を上げて呟いた言葉は部屋の空気に溶けた。そこでふと目にあるものが留まる。私は迷いながらもソファを下りてお目当ての本のところに足を進めた。
手を伸ばしたのは『リープリングス』だ。読む気分にはなれないけれど、興味本位に六巻を手に取ってみる。
「あれ?」
最初の数行を読んだだけで、妙な既視感に襲われる。読み飛ばしながらページを捲るが、既視感は強まるばかりだ。
それどころかこの後のストーリーがわずかに頭の中に過ぎる。
もしかして私、これ読んだのかな?
ぶっきらぼうで怖いと思っていたのに、ちゃんと私のことを見ていてくれて、考えてくれている。強引なくせに無理をさせることはなく優しくて。
彼に触れられると、隣にいてくれるとすごく安心する。そばにいて欲しいって思う。
でもこの気持ちって怜二さんにとってはどうなんだろう。もしも割り切った関係で結婚したなら、迷惑にしかならない。
私は彼のことをどう思って結婚したんだろう。怜二さんは?
「……私のこと、少しは好きだった?」
顔を上げて呟いた言葉は部屋の空気に溶けた。そこでふと目にあるものが留まる。私は迷いながらもソファを下りてお目当ての本のところに足を進めた。
手を伸ばしたのは『リープリングス』だ。読む気分にはなれないけれど、興味本位に六巻を手に取ってみる。
「あれ?」
最初の数行を読んだだけで、妙な既視感に襲われる。読み飛ばしながらページを捲るが、既視感は強まるばかりだ。
それどころかこの後のストーリーがわずかに頭の中に過ぎる。
もしかして私、これ読んだのかな?